キャバクラを移籍する際の手順と退店方法を解説

キャバクラで働いていると、新店舗への移籍を考える機会は意外と多いものです。給与や客層、店舗の雰囲気、スタッフとの相性など、自分に合わないと感じたり、より良い条件の店で活躍したいという思いが募ったりするケースが少なくありません。しかし、夜の業界特有の慣習や暗黙のルールから、移籍や退店の際には注意が必要です。

本記事では、キャバ嬢として別のキャバクラに移籍するときの手順や、退店を決意した際の流れ、周囲への伝え方などを網羅的に解説します。さらに、退店時に起こりがちなトラブルやそれを避けるコツも取り上げているため、移籍を検討中の方が安心してスムーズに次のステップへ進めるよう、ぜひ参考にしてみてください。

キャバクラの移籍とは

キャバクラの移籍とは、現在所属しているお店を辞めて、別の店舗で働き始めることを指します。ナイトワークは基本的に“水商売”とも呼ばれ、地域や店舗間のつながりが密接であるため、移籍時のルールやマナーが独特に存在します。ここでは、大きく分けて3つの移籍スタイルを紹介します。 

異なる経営グループの店への移籍

異なる経営母体の店舗へ移る場合は、完全に新しい環境へ飛び込むことになります。例えば、歌舞伎町の有名店から銀座や六本木の高級店に移籍するケースや、地方から都心への移籍などが該当します。メリットは給与や待遇が大きく変わる可能性がある一方、すでに築いてきた常連客との関係は再構築が必要です。 

同一グループ内の別店舗への移籍

運営会社が同じグループであれば、人事異動に近い形で移籍することが可能な場合があります。お店のランクや客層が違う別店舗へ異動すれば、給与体系が変わったり、客単価の違いにより稼ぎの幅が変わる可能性があります。 

新規店舗への一時的な移籍

オープンしたばかりの新規店舗を立ち上げる際に、グループ店や系列店から派遣される形で一時的に働くケースです。新人ばかりで回らない状況をサポートするのが目的で、期間限定で新店を盛り上げてから元の店舗に戻るパターンもあります。

キャバクラを移籍する際の手順

キャバクラを移籍する場合、手順をしっかり踏まないと、現在働いているお店とのトラブルや新店舗との誤解が生じかねません。大きく3つのステップに分けて解説します。 

ステップ①移籍先を探す

まずは自分が望む条件を明確にして、移籍先を探しましょう。時給やバック、客層、エリア、出勤日数などの希望を整理し、求人サイトやスカウト、知人からの紹介などで候補をピックアップします。複数のお店を比較し、面接や体入(体験入店)で雰囲気を確認すると安心です。 

ステップ②退店の手続きをする

新店舗が決まったら、今のお店を辞める旨を伝えます。基本的には1か月前には退店することを告げ、繁忙期(クリスマスや年度末など)を避けるなど、お店に迷惑がかからないタイミングを選びましょう。退店理由は正直に話してもよいですが、言いづらい場合は「事情があって」「条件が合わなくなった」など角を立てない表現を使うとスムーズです。

ステップ③新店舗に移籍する

退店を済ませたら、新しい店舗で働く準備を整えます。ドレスや名刺、SNSアカウントなど、必要なものを再度セットアップしておきましょう。常連客に転職先を伝える場合、トラブルを避けるためにタイミングや方法をよく考慮する必要があります。

キャバクラを退店するときにおすすめの理由

辞める理由は人それぞれですが、キャバクラ業界特有のしがらみや暗黙のルールもあり、退店を伝えにくいケースがあります。以下では退店を伝える際に比較的スムーズに理解してもらいやすい理由を3つ紹介します。 

就職が決まった

学生キャバ嬢や掛け持ちで働く方が、正社員の仕事が決まったので退店したいというのは納得されやすい理由です。お店としても「将来を考えている子だった」という印象になるため、後腐れなく送り出してもらえるでしょう。 

周囲から反対された

家族や恋人が反対しているという理由も、現場では受け入れられやすいです。店側も無理に引き止めるとトラブルに発展する可能性があり、本人の意志が揺らいでいるなら仕方ないと考える場合が多いです。  

結婚や妊娠をした

キャバクラは夜の仕事であり、妊娠や結婚などライフイベントが大きな転機となることが多いです。妊娠や結婚のために退店するのは自然な流れとして受け止められやすく、店側も「おめでとう」という気持ちで送り出してくれるかもしれません。

キャバクラを退店するときの伝え方

退店をスムーズに進めるには、どのように店長やスタッフに伝えるかが重要です。次に挙げる3つの方法を検討してみましょう。 

直接伝える

店長やオーナーに直接会って退店の意志を伝えるのが、一番誠意ある方法とされています。表情や言葉を通して本気度を伝えられるため、誤解が生まれにくいです。 

電話で伝える

忙しい時期や深夜など、直接時間が取れない場合は電話も選択肢の一つです。ただし、急に電話で切り出すと驚かれる可能性があるため、あらかじめ「お話ししたいことがあります」と伝えておくと良いです。 

メールやLINEで伝える

現代ではメールやLINEで退店を申し出る人も増えています。ただし、文字だけでは感情が伝わりにくく、相手が既読スルーをする場合もあるため、送った後に電話でフォローするなど工夫が必要です。

キャバクラを退店するときによくあるトラブル

退店の際には、給料や人間関係などでトラブルが生じることがあります。事前に想定しておき、回避策を準備することが賢明です。

 

給料が払われない

店によっては「移籍したなら給与は払わない」と言い張る悪質なケースも存在します。労働基準法上、正当な報酬は働いた日数分受け取る権利があるため、法律相談などで対処しましょう。  

スタッフの態度が悪くなる

「辞める」という報告後に、周囲の態度が急変する例もあります。無視される、嫌がらせを受けるなどの場合、可能であれば穏便に済ませるため対応策を冷静に考えつつ、どうにもならない場合は早期に法律の専門家に相談することも視野に入れてください。 

退店させてくれない

店が人気キャストを離したくないあまり、引き止められるケースがみられます。契約書や労働条件を確認し、円満に交渉できるよう落ち着いて話し合うのがベストです。威圧的な態度を取られた場合は、速やかに専門家へ相談を。

キャバ嬢として移籍する場合は丁寧な対応を

キャバクラを移籍するのは、今の職場では得られない環境や報酬を求めたり、新しい客層や働き方を試したりするための大切な選択肢です。ですが、水商売特有のしがらみや暗黙のルールがあるため、計画的に手続きを進めないとトラブルを招く可能性があります。 ポイントとしては、移籍先をしっかりとリサーチしたうえで、今のお店へ退店を伝える際には1か月前など適度な猶予をもって話を切り出すことが大切です。

就職や結婚などの“わかりやすい理由”を用意すると、円満に送り出してもらいやすくなるでしょう。移籍を検討する際も、自分に合った職場を探し、働きやすい環境づくりを心がけることで、快適なナイトワークライフを送ってください。

コラム監修者

監修者の写真

黒瀬 拓真(くろせ たくま)

「夜職業界を"誇れる仕事"にする」をモットーに、女性一人ひとりの価値観や将来に寄り添った提案を重視しています。現場経験とマネジメント視点の両方から、信頼される環境づくりと高収入の両立を支援しています。

《経歴》

22歳で歌舞伎町のキャバクラ業界に飛び込み、ボーイからスタート。25歳でフロアマネージャーに昇格後、大手グループに引き抜かれ統括マネージャーとして約20店舗の売上管理・人材育成を担当。30代で独立し、自ら複数の店舗を立ち上げ経営。現在は業界全体の底上げを目指し、キャリアアドバイザーとしても活動中。

《資格》

業界歴18年/元大手グループ統括マネージャー/人材育成責任者歴10年

《監修者から一言》

どんな方でも、自分らしく輝けるお店があります!まずは一度お話させてください!

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